エッセイ『旅の途上の』

知の流れにまかせるまま異国にたたずんでいると知が騒ぎます。何かと出くわして衝撃を受けることによって知が身体をつたいます。でも、知のにじむような旅の向こう側には知のしたたる至福が待つので知しぶきを浴びたり異郷者として通過儀礼的に生き知を吸うことは厭わないです。旅人の知は争えません。

旅の途上の喜ばしきもの

小さくて大きな街

旅の途上で立ち寄ったとても小さな街グアナファトはとても大きな街でした。 狭い峡谷にしがみつくように立ち並ぶコロニアルな建造物や住宅の数々はみな色気づいていました。パレットに表現され得る全ての色が施された建物群はカラーチャートと化し、不規則に…

地図を歩く/街を読む

旅の途上のマカオでは道しるべとなるカジノに導かれるままにこの都市国家のロジックを身体化させれば地図は全く不要となるのです。 立ち並ぶ老舗カジノホテルはどれもが派手な装飾を施しながら闇と誘惑に人々をいざないます。夜空を焦がすカジノのネオンは密…