エッセイ『旅の途上の』

知の流れにまかせるまま異国にたたずんでいると知が騒ぎます。何かと出くわして衝撃を受けることによって知が身体をつたいます。でも、知のにじむような旅の向こう側には知のしたたる至福が待つので知しぶきを浴びたり異郷者として通過儀礼的に生き知を吸うことは厭わないです。旅人の知は争えません。

旅の途上の境界的なもの

言葉の城郭都市

旅の途上の言語空間で動き続ける神秘的な言葉たちに出会いました。異郷の門を叩いて潜るたびに多彩な言葉たちを嗅いで内耳と網膜の助けを得ながら身体に取り込み、山積みになった言葉の世界が潤うのを体感します。旅人にとっては新参者である言葉たちが神秘…

赤でも青でもない紫

旅の途上の国境という周縁(margin)は重要な中心から見ればノートの余白(margin)のように末端なものに過ぎないけれど、中心というのは変化しうるものだからいつでも周縁となり、周縁もいつでも中心となり得るというのが社会の根本に潜むダイナミズムの実…