エッセイ『旅の途上の』

知の流れにまかせるまま異国にたたずんでいると知が騒ぎます。何かと出くわして衝撃を受けることによって知が身体をつたいます。でも、知のにじむような旅の向こう側には知のしたたる至福が待つので知しぶきを浴びたり異郷者として通過儀礼的に生き知を吸うことは厭わないです。旅人の知は争えません。

旅の途上のリズミックなもの

異郷空間のリズム

旅の途上で遭遇した異郷者たちの空間は喧噪に満ちていました。 故郷から遠く離れた異空間を彷徨う旅人らはその異空間で暮らす土地者にとっての異郷者であり異質な他者です。でも異質な他者にとっては土地者の方こそが異質な他者です。土地者からしたら異郷者…

波打つ言葉たち

旅の途上の異邦性という静寂の中で異質な言葉の反響音を聴くとき、旅人は幾多の小さな音のつらなりを、打ち寄せる波のように感じながら異文化の浜辺に立ち尽くします。 街の中の市場に足を踏み入れると、波のように大挙して押し寄せる言葉たちが礼節を伴った…

エアポートに漂う/エアポートを漂う

旅の途上のエアポートがどれも同じように見えたり香ったりすることがあります。 ミャンマーのヤンゴン空港がパゴダの景観で到着客をいざなったとしても、イースター島のハンガロア空港がモアイ像の景観で到着客をいざなったとしても、異なるはずなのに2つの…