エッセイ『旅の途上の』

知の流れにまかせるまま異国にたたずんでいると知が騒ぎます。何かと出くわして衝撃を受けることによって知が身体をつたいます。でも、知のにじむような旅の向こう側には知のしたたる至福が待つので知しぶきを浴びたり異郷者として通過儀礼的に生き知を吸うことは厭わないです。旅人の知は争えません。

旅の途上の内面的なもの

旅路という作品

旅の途上の道は空間芸術や時間芸術の素材になると同時に作品それ自体にもなるのです。 多岐と多難さとを思わしめる目の前に拓かれた幾里もの荒涼たる道を多くの人々が往来し、その前後の営みの中で生を表象するために粉骨砕身してきました。画家は時代の心象…

旅の途上の内なる他者たち

旅の途上で自分と出会うために内へ内へと自らを閉じ込めるのではなく、外へ外へと自らを解き放っていた旅人が、他者の内へと迫ろうとしていました。 自分ときちんと向き合って自分の考えを省みることを「内省」といいますが、内省する自分は主体であり、内省…