エッセイ『旅の途上の』

知の流れにまかせるまま異国にたたずんでいると知が騒ぎます。何かと出くわして衝撃を受けることによって知が身体をつたいます。でも、知のにじむような旅の向こう側には知のしたたる至福が待つので知しぶきを浴びたり異郷者として通過儀礼的に生き知を吸うことは厭わないです。旅人の知は争えません。

旅の途上の異質的なもの

視覚を歩く

旅の途上の異邦性が生み出す奥義はパースペクティヴ(=視点)の彼方にあるアティチュード(=態度)から始まるのです。 異郷の言葉や文化に触れるプロセスで知らず知らずのうちに身体化したパースペクティヴ(perspectiva)は様々な外観や表現や可能性を揺…

旅するモノたち

旅の途上にあるのは人のみならず、モノや資本やイメージや価値も同様に旅をしながらわたしたちの生活に影響を及ぼします。 かつて人々は自分の時間と空間を直接的に体感していました。自分の時間とは自分のいる場所の日毎や季節的周期によって規定され、自分…